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 25:十条富士
※このコラムにおいて「都内」とは、概ね23区の範囲を言います。
2021年夏 今井晴彦
築造年:1840年 所在地:北区中十条2-14-18 十条富士神社

 
 元は十条台古墳群を構成する古墳であったのを、伊藤元講の人たちが元の円墳に石碑を配して富士塚として利用しだしたのが1840年で、食行身録150回忌を祈念し鳥居や石祠を整備したのが1881 年である。
 高さは5.8mとなっていて、溶岩を配し5 合目に小御嶽神社の石祠も整備されている。北区指定有形民俗文化財でもある。

 また、十条富士講があり、6 月30 日〜7 月1 日に十条富士神社大祭があって、十条銀座から富士塚に伸びるフジサンロード280mに沿って200余りの露店もでて賑わう。なお露天商が出店するのは、駒込富士神社の山開き、浅草富士浅間神社の植木市との3 か所であり、地元の人にも親しまれている富士塚である。

 ところが、これが都市計画道路、補助83 号線の拡幅で取り壊された。品川富士も道路整備で移転させられたが、お車様には全てがひれふする世になったということだろうか。ただ富士塚及び古墳を可能な限り保存、現状の富士塚の正面部分の形状をできる限り継承、文化財の価値を尊重という3 条件のもとに、半分くらいの面積になって再建されることになっている。
 

祭礼の賑わい



取り壊された十条富士の跡

現況

整備イメージ

整備イメージ
 東京都都市整備局ホームページ「十条冨士塚の再整備(現状変更)のお知らせ」より
つづく 
著者略歴
今井晴彦(株式会社サンプランナーズ代表取締役)
東京大学都市工学科卒。
都市計画コンサルタント会社を設立し、国内外の地域振興、都市計画、観光計画、まちづくり等を行っている。(株)アルメック技術顧問、諏訪市政策アドバイザー(非常勤)、全国路地のまち連絡協議会世話人、地域振興アドバイザー(国土交通省)などを務める 。
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