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 13:高松富士
※このコラムにおいて「都内」とは、概ね23区の範囲を言います。
2021年夏 今井晴彦
1862年築造 豊島区高松2―9−3 富士浅間神社

 
 国指定の重要民俗文化財となっている。豊島郡長崎村の月三講の椎名町元講の人たちにより建造された。高さ約8m、直径21mで、富士山の溶岩で覆われていて、頂上に大日如来像などがあり、このほか石仏とか天狗像とか、奉納された碑が数多くある。これでみても、富士講は神道というのとは本来多少異なる独自の宗教であったことが偲ばれる。

 行ってみると、公園の片隅が富士浅間神社敷地となっており、それを大部分占めて富士塚がうっそうとした木々に囲まれてそびえている。しかし、千駄ヶ谷富士とは異なり、国指定の文化財のためか立ち入りできない。これは他の国指定の文化財となっている富士塚と同様で、中には山開きに立ち入りが許されるものもあるようだが、基本的には眺めるだけなので、千駄ヶ谷富士などのような楽しさはない。

 椎名町元講は活動が活発だったようで、大きな碑が目立っている。また昭和の大修理とか平成の修理の碑もある。萬福講社、神道扶桑教の2つが豊島区ではまだ活動しており、高松富士の山開きなどを行っているようで、現役の富士塚と言えるかもしれない。
つづく 
  
著者略歴
今井晴彦(株式会社サンプランナーズ代表取締役)
東京大学都市工学科卒。
都市計画コンサルタント会社を設立し、国内外の地域振興、都市計画、観光計画、まちづくり等を行っている。(株)アルメック技術顧問、諏訪市政策アドバイザー(非常勤)、全国路地のまち連絡協議会世話人、地域振興アドバイザー(国土交通省)などを務める 。
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