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 07:平塚山
※このコラムにおいて「都内」とは、概ね23区の範囲を言います。
2021年夏 今井晴彦
平塚山 所在地:北区上中里1−42−8 標高:23.4m
 
 道灌山と同じく上野から飛鳥山に展開する台地の上である。北区になると、この台地の上は公園だったり、公共施設だったり学校なども多い。その一隅にあるのが城官寺で、その門を見ると平塚山となっていて、ここが平塚山なのかと思われる。ただ台地の上を歩いてくると、まったく平坦地でどこが山なのかは分からない。

 台地の端なので、荒川沿いから見ると崖があり、道灌山と同じくそう呼ばれていたのかと思うが。

 だが平塚の由来は、その寺の隣にある平塚神社による。いわれによれば、源義家の3兄弟がここに城館を構えていた豊島近義にもてなされたことがあり、お礼に鎧と十一面観音像を残したのを、城の守り本尊として埋めた。それが高い塚でなく低かったので、平塚といったということから始まる。
 だが源義家の兜は兜町に埋められたはずだが。平塚神社はその豊島氏が三人の徳を慕って平塚三社大明神という社を営んだものである。

 城官寺は、この平塚神社の別当の庵だったのを、後世に寺として再興したものである。仏教寺院はよく、○○山と称するが、そういう由来から平塚山城官寺と号した。
 したがって、平塚山は自然の山でもなんでもなく、単に仏教寺院の名称にすぎない。ということで社寺の雰囲気はあるところであるが、山を期待していっても全くがっかりの場所である。
 
   
 
つづく 
  
著者略歴
今井晴彦(株式会社サンプランナーズ代表取締役)
東京大学都市工学科卒。
都市計画コンサルタント会社を設立し、国内外の地域振興、都市計画、観光計画、まちづくり等を行っている。(株)アルメック技術顧問、諏訪市政策アドバイザー(非常勤)、全国路地のまち連絡協議会世話人、地域振興アドバイザー(国土交通省)などを務める 。
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